SSブログ

登録文化財について [建築、住宅、街並]

「文化財登録制度」は、日本では平成8年にできた制度だ。
国宝、重要文化財のような堅い保存ではなく、活用しながら保存できるいわば「ゆるやかな保存」。
基本的に外観を残す制度なので、内部は自由に改装もできる。外部の見える部分の4分の1以上を改造する場合にのみ、届出が必要になる。
規制もゆるやかな分、優遇措置もゆるやか。固定資産税、相続税評価額が減免されるなど、若干の優遇措置がある程度だ。それでもいくらかは、所有者の負担を軽くして歴史的建物を遺していく助けにはなるだろう。
登録文化財となればあちこちで名が出るから、お店や旅館など商売をしていくにもメリットになりうる。

登録文化財に申請できる条件としては、
・築後50年を経過している建物で、
・歴史的景観に寄与しているもの
・造形の規範となっているもの
・再現することが容易でないもの
とある。どんな町でも、あてはまる建物はけっこうあるはずだ。

現在日本での登録文化財建造物の数は約7000件。
この制度は、欧米では古くから普及していて、イギリスでは40万(!)、アメリカ5万、フランス4万と、けたはずれの数が登録されている。
日本では、阪神淡路大震災がきっかけになってようやく始まったばかりというところだ。

登録に向けては、その建物の歴史についていろいろと調べることになる。その過程で、持ち主や周囲の人も、建物の大切さに気付いていくことは意味が大きい。
観光資源の乏しい自治体でも、町ぐるみで文化財登録に力を入れて、町おこしにつなげていくというのも手ではないだろうか。

この建物を登録文化財とするにあたって、奈良市の窓口になるところに相談した。
歴史遺産には事欠かない市だから、事はわりとスムーズに運んだ。
「文化財」といえば釘一本打てない、お上が指定するものというイメージがあるが、そればかりではない。
文化財登録制度のように、持ち主の側から登録を申請する手もあるというわけだ。


↓文化庁のページ
http://www.bunka.go.jp/1hogo/main.asp%7B0fl=show&id=1000000129&clc=1000000033&cmc=1000000097&cli=1000000104&cmi=1000000118%7B9.html

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。